住み慣れた自宅に住み続けながら、まとまった資金を調達できる「リースバック」という仕組みが注目を集めています。しかし、検討を始めると必ず耳にするのが「リースバックの買取価格は安い」という声です。
実際、リースバックの買取価格は通常の不動産売却(仲介売却)と比較すると低くなる傾向にあります。この記事では、なぜリースバックの価格が安くなるのか、その仕組みと通常売却との違いを徹底的に検証します。
1. リースバックの買取価格の相場はどのくらい?
結論から言うと、リースバックでの買取価格は、市場価格(通常売却での予想成約価格)の「70%から80%程度」が相場とされています。
物件の条件や地域によっては、さらに下がり「60%程度」になるケースも珍しくありません。例えば、通常の仲介売却で3,000万円の値がつく物件であれば、リースバックでは1,800万円から2,400万円程度が目安となります。
2. なぜリースバックは通常売却より安くなるのか
通常売却よりも買取価格が安く設定されるのには、明確な理由があります。それは、買い手(リースバック運営会社)が負うリスクと、投資としての利回りが関係しているからです。
運営会社が負う「将来のリスク」
通常の売却であれば、物件を引き渡した時点で取引は完了します。しかしリースバックの場合、運営会社は物件を買い取った後も、元の所有者に賃貸として貸し続けなければなりません。
運営会社側には、将来的に以下のようなリスクが発生します。
- 価格変動リスク:数年後に売却する際、不動産市場が冷え込んでいて損をする可能性
- 老朽化リスク:賃貸期間中に建物が傷み、資産価値が下がる可能性
- 空室リスク:入居者が退去した後、すぐに次の買い手や借り手が見つからない可能性
これらの不確定要素をカバーするために、あらかじめ買取価格を割り引いて設定しているのです。
「利回り」から逆算される仕組み
リースバックは不動産取引であると同時に、運営会社にとっては一種の「投資」でもあります。
運営会社は、支払った買取価格に対して「年間で何%の家賃収入を得られるか(利回り)」を重視します。多くの会社は期待利回りを一定以上に設定しているため、家賃を安く抑えようとすると、逆算して買取価格も下げざるを得ないという構造になっています。
3. 【比較表】リースバック vs 通常売却(仲介)
リースバックと通常の仲介売却では、価格以外にも大きな違いがあります。主な特徴を比較表にまとめました。
| 比較項目 | リースバック | 通常売却(仲介) |
|---|---|---|
| 売却価格の目安 | 市場価格の60%〜80% | 市場価格の100%に近い |
| 現金化までの期間 | 短い(最短1週間〜1ヶ月) | 長い(3ヶ月〜半年以上) |
| 売却後の住居 | そのまま住み続けられる | 退去・引越しが必要 |
| 月々の支払い | 家賃が発生する | 住宅ローンは消滅するが住居費が必要 |
| 近所への周知 | 売却を知られにくい | 広告を出すため知られる可能性が高い |
| 将来の所有 | 買い戻せる可能性がある | 基本的に買い戻せない |
4. リースバックを選ぶべき人と避けるべき人
価格が安いというデメリットを知った上で、それでもリースバックを選ぶ価値があるかどうかは、個人の状況によります。
リースバックが向いている人
- すぐにまとまった現金が必要な人:仲介売却のように買い手を探す時間が不要なため、スピーディーに資金調達ができます。
- 引越しをしたくない事情がある人:子供の学区を変えたくない、高齢で環境を変えたくないといったニーズに最適です。
- 借金返済や住宅ローンの完済を急ぐ人:所有権を手放すことで、今の生活を維持しながら債務を整理できます。
リースバックを避けた方がいい人
- 1円でも高く売りたい人:価格を最優先するなら、時間はかかっても通常の仲介売却を選ぶべきです。
- 家賃を払い続けるのが不安な人:売却金は手に入りますが、その後は毎月の家賃が発生します。年金暮らしなどで固定費を下げたい場合には不向きです。
5. 納得できる価格でリースバックを利用するためのポイント
「安い」と言われるリースバックですが、工夫次第で条件を良くすることは可能です。
複数の会社で「相見積もり」をとる
リースバックを扱う会社は、大手から地域密着型まで多数存在します。会社によって得意なエリアや算出する利回りが異なるため、1社だけで決めず、必ず3社程度から査定を取りましょう。
「家賃」と「買取価格」のバランスを考える
多くのリースバックでは、買取価格を高くすると家賃も高くなり、買取価格を安くすると家賃も抑えられるという相関関係があります。
- 短期的な資金調達が目的:買取価格を優先する
- 長く住み続けたい:家賃の低さを優先する
このように、自分のライフプランに合わせた調整を相談してみるのが賢明です。
買い戻しの条件を明確にする
将来的に家を買い戻す予定がある場合は、契約時に「いくらで買い戻せるか」をあらかじめ書面で合意しておくことが不可欠です。
まとめ:価格の安さは「居住継続」というサービスの対価
リースバックの買取価格が通常売却より安いのは、単に損をしているわけではありません。「自宅に住み続けられる」「引越し費用がかからない」「固定資産税の支払いがなくなる」といった、売却後のメリットや利便性に対する手数料のようなものだと考えるのが妥当です。
資産価値を最大化したいのか、それとも今の生活スタイルを維持したいのか。優先順位を明確にすることで、リースバックが自分にとって最適な選択肢かどうかが見えてくるはずです。
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